前回では中古住宅流通市場におけるITの導入による流通の活性化をご説明しましたが、不動産にITを取り入

れる活動は流通市場だけではありません。不動産とアプリ、不動産と人工知能など様々な手法で不動産でのマ

ッチングを実現しようとしています。今回は「不動産」と「IT」を融合したケースをご紹介致します。


・スマートフォンと連携するネット接続型のドアホン「TATERU kit」

インベスターズクラウドはGORMULAと協力し開発された「TATERU kit」とは、外出中に来訪があった際、スマ

ートフォン上でドアホンの見ながら応答できるドアホンです。またスマートフォンで映像を見るだけでなく、「来訪

者の映像の保存」や「外出先から室内の様子」も確認することができます。

今後はこの「TATERU kit」に照明やエアコン、部屋のカギと組み合わせることでスマホ操作による照明やエアコ

ンの操作・鍵の開け閉めなどを実現する予定です。

また、この「TATERU kit」は民泊への導入も検討しており、インバウンドによる宿泊施設のための住環境整備と

して今後導入が期待されます。


・人工知能で部屋探し

賃貸仲介業の大手ハウスコムが人工知能による賃貸物件検索サイトを開発しました。利用者が希望する場所と

家賃と広さを選択するだけで物件が自動的に推奨されます。推奨された物件を選択すると、またさらに選択され

た物件と似た物件が表示されます。非常に簡易な検索条件となっており、細かい選択条件を入れずに物件を絞

り込むことができることで、手間の軽減と満足度の向上が期待されます。年間6万7千件以上の賃貸仲介を行う

ハウスコムの持つビッグデータの利用により推奨物件を表示させる仕組みです。

人が生活していく上でかかせないのは「衣食住」です。その一つである住居(不動産)に対してITを使うことで、ス

マートフォンの普及によりモバイル型に変わったライフスタイルに対応することが生活向上に繋がり、敷いては

中古住宅の流通市場に関しても大きなインパクトを与えることになるでしょう。

(文責-山口晃平)