昨今、相続された不動産において相続登記がされていないケースが多く、所有者の把握が困難な所有者不明の建物や土地が点在しています。


実際に、空き家などでは所有者が死亡した場合の登記がなされず、所有者が誰なのか把握できないという事態に陥っています。


そこで、法務省は不動産の相続登記を促進するために、亡くなった親や配偶者の戸籍を法務局に提出すれば法定相続人であることを証明する文書が交付され、登記申請の際に別の法務局でも使用できるようになる制度を来年度から始めると発表しました。


現在では、不動産を管轄する法務局ごとに戸籍を添付し登記申請しなければならないために相続人に負担がかかっていましたが、この制度により相続した不動産の場所に係らずどこの法務局でも登記申請が可能となります。


法務局から交付された証明文書は、法定相続人の住所や氏名、相続分などが記載され交付費用はかかりません。また、遺産の預金を払い戻す際に金融機関などで使用することができ、事務手続きが簡易になります。


現在、空き家対策特別措置法や全宅連から固定資産税の情報開示の要望など所有者を明確にする動きが活発化しています。負の資産として特定されるのではなく、所有者として相続した建物や土地・空き家を積極的に活用することが重要ではないでしょうか。

 

(文責-山口晃平)