2017年8月の訪日外国人数(推計値)は前年同月比20.9%増の247万8千人で、過去最高を記録したそうです。市場別の訪問外国数では、中国が前年同期比21.1%増の82万人で、韓国、台湾、香港と東アジアで約8割を占めているそうです。(日本政府観光調べ)訪日外国人の増加で宿泊施設不足が問題となってきました。そこでインバウンドビジネスが空き家の利活用に乗り出したということでしょうか。
 
 愛媛県ではインバウンド向けの古民家宿泊施設が開業されました。歴史的価値の高い町屋を1組限定1棟貸しで提供しているそうです。せとうちDMO(観光地経営組織)の取り組みで歴史的建造物を残しつつ観光資源として利用する。空き家対策の成功例ともいえるのでしょう。今後7県を対象に5年間で100棟をめざしているそうです。

 大阪市では空き家を再利用しながら町全体をホテルにする取組が行われていました。USJに隣接した地域であるものの連棟住宅や再建築ができない中古住宅が多くまとまっていて再開発が困難な場所だったようです。しかし点在する空き家を再活用しながら町全体にホテルとして機能を持たせるという”クラウドホテル”構想を掲げて「SEKAI HOTEL」が6月15日からオープンされたそうです。外国の方が日本を体感できるよう工夫が施されているようです。相乗効果として雇用の場が広がったり、宿泊料金の一部を地域社会の課題対策や発展途上国の支援にも当てられるそうです。新しいですね。町全体がホテルとは…一度訪れたくなりますね。

 空き家の利活用はオリンピックに向けてますます加速していくのでしょうね。インバウンド対策だけではなく空き家が新しい家族の場・コミュニティの場・シェアハウス・福祉施設など資源として姿を変えていってほしいと思います。

  (文責ー山口典子)