昨今、空き家の増加により、空き物件に携わる業者が増加しており、様々なサービス、プラットフォームが構築されつつあります。「空き家管理サービス」「空き家マッチングサービス」「空き家リノベーションサービス」「空き家にまつわる税金や相続の相談サービス」「空き家解体サービス」など、空き家に付随するサービスが多々あります。

さて、ここで注目されているのが「空き家マッチングサービス」です。昨今では、空き家を所有しその賃貸を希望するものと空き家を賃借したい者からそれ

ぞれ登録を受け、空き家所有者の情報と賃借希望者の情報を提供する事業者が増加しています。ここで、このマッチング行為が「宅地建物取引業法第2条第2号」に抵触するかどうかという問題です。宅地建物取引業第2条第2号にはこのような法令が定められています。

「宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは賃借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。」上記のように建物に関しての売買、交換、賃借、代理、媒介は「宅地建物取引業法」の宅地建物取引業に該当します。この宅地建物取引業に該当すると、免許が必要となるほか、営業や広告、契約等の同法に基づく規制を受けることとなります。

今回、経済産業省がこの「空き家マッチングサービス」についてのグレーゾーン解消制度にてこのような回答が発表されました。

(※グレーゾーン解消制度・・・事業者が、現行の規制の適用範囲が不明確な場合においても、安心して新事業活動を行い得るよう、具体的な事業計画に即

して、あらかじめ、規制の適用の有無を確認できる制度)


(1)照会者は空き家の調査を行わず、また独自に取得した物件情報を登録するものではないこと
(2)サービス登録者が相手先を検索する際に、特定の登録情報の提供や提言を行わないこと
(3)空き家のリノベーションをする際にも、その提案は賃借希望者の要望を受けて行うものではないこと
(4)空き家所有者又は賃借希望者が選択した宅地建物取引業者に契約の媒介を依頼すること
(5)照会者は内覧に関与しないとされていること

上記の活動条件のもとにおいて、宅地もしくは建物の売買、交換若しくは賃借の媒介をするものではないことから「宅地建物取引業」に該当しないと発表しました。上記の類似する例としては各市町村が運営する「空き家バンク」などが当てはまります。

新規のサービスやプラットフォームを顧客に提供する上で、法令のグレーゾーンを明確にすることで、革新的なサービスやプラットフォームが構築されていくことでしょう。